vol.18  着道楽の妻とビジネスマンの夫のクローゼットの話

2018.04.01

夫と妻と、犬が一匹。築37年の中古マンションを買って、リノベーションをする話です。

家族紹介

family

「部屋とYシャツと私」という歌がすきです。わたしの世代からみてもそこそこ古い歌であるけれども、優しくて可愛らしくて強かで、こういう妻であったらよいなと思います。時代的に、こんなことを大きな声で言ったら誰かに怒られるのかもしれませんが、わたしは、部屋と(夫の)Yシャツと自分、を、きれいに保つことに誇りを持つ妻、という夫婦のあり方は、素敵だなと思います。

Yシャツは完全クリーニング派

とはいえ、夫のYシャツはすべてクリーニングに出します。夫自身がもともとそういう生活習慣のひとであったし、まだまだ世間知らずなうら若き頃に結婚したわたしは、日々スーツを着るビジネスマンはみんなそうなのだと思っていて、Yシャツを家で洗濯してアイロンをかけるという発想がありませんでした。そういう選択肢もある、と知った頃にはクリーニング生活に慣れていたので「無理無理わたしには無理」という有り様で。なので、わたしにとって「Yシャツをきれいに保つ」というのは、定期的にYシャツをクリーニングに出して、それを受け取っておく、というただそれだけのことです。

これはとても簡単な仕事なのですが、このYシャツクリーニング案件について、わたしには一つ悩みがありました。それは、クリーニング屋のハンガーの一時保管場所がない、ということです。きっと多くのクリーニング店がそうなのでクリーニング派の方はお分かりかと思いますが、Yシャツをクリーニング屋に出すとクリーニング屋のハンガーにかかって戻ってきて、そのハンガーを次のときに返却すると、その本数ぶんの値引きがあったりします。なので、クリーニング屋のハンガーは、家のハンガーとは別にして次回のクリーニング時までどこかにとっておきたい。けれども、それに相応しい保管場所がない。というのが、ほんとうに地味な話ではあるのですが、ひとつのストレスだったのです。

そして、この「クリーニング屋のハンガーは、家のハンガーとは別にして次回のクリーニング時までとっておきたい」というわたしの要望は夫にも伝えてあったのですが、それを理解した夫はなんと、ハンガーを床に放っておく、という驚きの対応策をとっていました。冗談のようですがほんとうの話で、クローゼットからYシャツを取る→クリーニングカバーをゴミ箱に捨てる→ハンガーを床に放る、というのを日々のルーティーンとしていたのです。それでも他のハンガーと混ざったりぎゅうぎゅうのクローゼットに埋もれてしまうよりはマシだったので、わたしもわたしで、放られたハンガーをそっと隅に寄せておく、みたいな、とてもよそ様には見せられない謎の仕組みが展開されていたのでした。

夫の完璧なクローゼット

というわけで、作りました。Yシャツクリーニングシステム。と、言うほど大袈裟なものではないけれども。夫がYシャツを取る→クリーニングのカバーをはずしゴミ箱に捨てる→ハンガーを定位置にかける→ある程度溜まったらわたしがクリーニング(ハンガーもいっしょに)に出す、という定期的なプロセスに寄り添う、クリーニング専用の棚を。クローゼットの隅に。例によって、フジコさんに図を描いて渡しました。

  • 収納A
    雑ですけれども。右下の小さな四角が件の棚です。

そしてスーツやジャケットに関しても、クローゼットがぎゅうぎゅうに詰まっているのはあまり美しくないので、何センチほど間隔があいていれば美しいのか、スーツ・ジャケットは何枚あるのかなどを細かくシミュレーションし、レイアウトを決めたのでした。

  • 採寸
    ハンガーは投げ捨てるわりに、やるとなるとめちゃくちゃ細かいA型の夫です。

甲斐あって、夫のクローゼットに関しては、日々のルーティーンにぴったりと寄り添う形になったと思います。夫自身も「起きて、シャワーをして、こっちでYシャツを取り、ズボン、と流れるように…いや、真ん中から腕を伸ばすほうがいいか…?」などと尋常ではない細かさでイメージトレーニングをしていたので、納得のいく仕上がりのようです。イメージがしっかりある、というのは大切なことだと思いました。

ちなみに、この間取りで言うAのところが夫のクローゼット、Cがわたしのクローゼット、Bはいちおう夫の普段着用のクローゼットとなっています。

  • 収納区分け図

曖昧なわたしのクローゼット

一方、わたしのクローゼットはというと、一応、フジコさんに伝えるための図と、なんとなくの理想イメージはあったのです。が、あくまでも理想であって、夫の仕事着のように、どんなアイテムが何着程度あるのか、日々の洗濯がどんなふうに回っていくのかをシミュレートしたものではなく、夫にも「数えたほうがいいんじゃないの?」と再三言われていたにも関わらず、「大丈夫、入るぶんだけに服の数を減らす……断捨離……」などとごにょごにょ言って(面倒くさかっただけ)、ただ理想を掲げただけの図でありました。

  • 収納C
    これが、わたしのクローゼットの図です。自分で書いたものですが、確かに一見すると、便利そうに成立して見える。

そして、これは引っ越し後の話となりますが、案の定、曖昧に描かれていたわたしのクローゼットは、理想よりもぎゅうぎゅうのパンパンになってしまいました。まだ、断捨離の途中です。断捨離の途中なはずなのに、なぜか服が増えたりしています。そしてBゾーンにまでわたしのアイテムははみ出し、どんどんとカオスに。「やっぱりな」と夫に呆れられています

これはほんとうに教訓なのですが、リノベーションは考えることや決めることがたくさんあって大変だけれども、イメージやシミュレーションをきちんとやればやるだけ、サボればサボっただけ、住んでからの使い勝手は比例するものだなと今、思っています。(めちゃくちゃ考えて作ったキッチンはやっぱりとても使いやすいし)

クローゼットまわりに関しては、まだまだこれからシステム改善の余地がありそうですが、何はともあれ、床にハンガーが散らばらないようになったことはとても嬉しいことです。わたしは服の断捨離と、あるものはすべて一軍、というクローゼットにするのがこれからの目標です。

Q本かよ

qmoto_ap

俳優/コピーライター/デザイナー
劇団『□字ック』に所属し、舞台を中心に俳優として活動する傍ら、雑誌、広告でコピーやデザインを手がけている。

 

【出演予定】
2017.12.02 《下北沢にて’17》
2018.1.17-21 □字ック本公演《滅びの国》@本多劇場

ROJI9 OFFICIAL WEB:http://www.roji649.com

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