モノづくりの現場へと人集め。次の世代に、伝え残すべきものとは?【にっぽん てならい堂】

モノづくり大国、日本。ほぼすべての地域にモノづくりの現場があり、こうしている今も、多くの職人たちが、自らが磨いた技を用い、たくさんのモノを生み出していきます。
しかし時代はそれを是としません。大量生産・大量消費、スピード社会の波が、多くの職人たちを苦境に立たせています。それを「自然淘汰」と割り切るか、もしくは抗いを見せるのか。
その狭間で1つのライフスタイルを提案していく男性がいます。

知らぬ間に消えていくのは、イヤだから

中村さんがにっぽん てならい堂の活動を行うのには、もう1つ大きな理由があると言います。それは、ご自身にお子さんが生まれたということ。

「たとえば、自分の子どもに何か道具を使わせようと思った時に、何を持たせるべきなのかがまったく分からなかったし、次の世代を生きる彼らに、何を伝え残すべきなのかも分からない。親が知らないと伝わらないこと、たくさんありますよね」

  • 子どもたちの世代へと、伝え残すべきものとは果たして?

中村さんは「別に、古いものすべてを残したいわけではないんですよ」と語ります。

社会が発展するためには、何かが入れ替わっていく必要があり、また過剰だった部分を削ぎとって、最適なサイズに戻していく必要があると。

「時代の変化の中で消えてしまうものも当然あります。そしてその中には、消えることすら知られずに消えていくものもある。せめて、無くなっても仕方ないものなのか、できれば無くしたくないものなのかということだけは判断したい。知らぬ間に消えてしまうのはイヤですよね」

モノの良し悪しに関わらず、人知れず消えてしまう。そんな最悪のシナリオは、多くの業界においてすぐそこまで来ていて、たくさんの職人たちは、もがき苦しんでいます。

まずは現状を知ること。そして行動に起こすこと。少しずつ、でも、みんながちょっとだけ意識すれば、日本のモノづくり現場を変える力になる。そう信じて、中村さんはまた日本のどこかで、次のワークショップを展開していきます。

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PHOTO by Kaori Nozaki / てならい堂より支給

にっぽん てならい堂

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未来の自分へ種をまく “種まきびと” へ

にっぽん てならい堂は、日本全国のモノづくりを体感するコトを集めた、新しいセレクトショップです。

http://www.tenaraido.jp/

WRITER'S VOICE

モノづくりの国、職人の国の人間として、大切にすべきもの。

時代の流れの中で消えていくものに対して、せめて仕方ないものなのか、残すべきものなのかという判断だけはしたい、という言葉はすごく心に響きました。古くから多くの人に愛され、品質も高い日本のモノづくりが、知らないうちに無くなってしまうのは、やっぱり辛いですね。

その思いをカタチにし、全国の作り手さんと協働する中村さんは、カッコいい!  “モノを届けないネットショップ”って、なかなかの名言でしょう、コレ。

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