vol.24 スリッパと靴の思い出

スリッパを作ってみようと思った。

実はこのコラムは直前まで何を作ろうかなと毎回悩んでいるんだけど、どうせなら実用性のあるものを作ろうと思ってしまう。一応ね。

靴は難易度が高いのでまだ挑戦しようとは思ってないのだけど、スリッパならなんとかなるのでは、と思った次第である。

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    現在使用しているスリッパ。マッサージ機能付き。

もしかしたら、ネットを調べれば専用のキットや素材が売っているのかもしれない。

でも今回は何も調べずに一回作ってみようかなと思います。

関係ないけど靴(くつ)と鞄(かばん)って一瞬「読み方どっち?」って思いませんか。

というわけで今回はスリッパにチャレンジしますよ!

素材選び

スリッパとしてのかたちは、今履いているシンプルな指先が出ているものにしようと思う。

おそらく指先まで閉じたタイプにすると一気に難易度が上がりそうな気がするから。

上の部分、足の甲にあたる部分は革だけど問題は底の部分をどうするか。

近所のホームセンターに行けば何かしらの素材が見つかるかな……。

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    革はちょっと渋目の色味のものをチョイス。

さて、問題の靴底(スリッパ底?)。

ホームセンターにて「あっ! これ使えそう!!」と見つけたものは……

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    パズルみたいに床に敷くやつですね。

表面だけコルクが貼ってあって中身はマットみたいな素材になっている。

本当は全部コルクのものがあればよかったけどこれしか見つからず。ハンズとかで探せばばあるのかな?でも今回はこれでやってみます。

それにしても履物を作るのは初めてだ。ちょっと靴について思いを馳せてみようと思う。

初めての紐靴

あれは小学校、低学年の頃だったか。

ベリベリって剥がすマジックテープの靴を履いていたんだけど、ある日紐の靴の方がかっこいいという価値観に目覚める。そして母親にデパートでねだって買ってもらったように思う。

それが特別にうれしかったという記憶もないけど、なかなか靴紐の結び方を覚えることができず玄関で苦労していたことは覚えている。

あれって教える方は下からの向きで教えるし、でも自分は上から見ていて反対だからなかなか覚えられないんですよね。

あと、結び方が甘いからほどけて自転車のペダルにぐるぐると巻きついてしまうことがよくあった。

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    僕は足幅が広いのでかなりゆったりめにした。

あれはかなり危険でペダルと片足は固定されて動けなくなり、こけても受け身が取れないことが必死だった。あれは本当にあぶない。

バッシュ選びの空気の読み合いとマウント

中学生の頃はバスケ部に入っていた。ちょうどその頃はスラムダンクがブームでバスケ部への入部は70人以上いたと思う。

バスケのレギュラーは5人なので残りの65人は日の目を見ないことになる。(交代はあるけれど)

今の僕だったら大人な計算をしてしまうのでもっとブルーオーシャンな部活を選ぶと思うが、当時はスラムダンク魂とでもいうか、夢中になっていたので自分もその5人の中に入れるはず、入る気概でやっていた。

まあ結局、三年生の時に僕は7番目くらいのポジションで部活を終えることになるんだけど。

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    甲にあたる部分を切っていきます。

入部したばかりの一年生は強制的にみんな同じ入門用のようなシューズを履かされていた。アシックスの真っ白いバスケットシューズだったと思う。ちなみにバスケット用のシューズはバッシュと呼ばれる。

これは謎のルールというか伝統のようなものらしかったけど、三年生が夏の大会を終わって引退したら一年生も好きなシューズを履いていいということになっていた。いままでの入門用のシューズから解除されるのだ。

当然みんな早く自由に選べるバッシュにしたくてうずうずしていたものだ。

そして何のバッシュを選ぶかで微妙なマウント合戦が繰り広げられることになる。

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    形に合わせて微調整を行う。

当時はかの有名なマイケル・ジョーダンをはじめドリームチームの時代。

今もプレミアものだけど、当時でもナイキのエアジョーダンは一種のステータスになっていた。

でも一年生の分際でエアジョーダンを履くのは生意気だと思われる……。なんて空気の読み合いもあったり。

やっぱり下手なのにジョーダンを履いているのは逆にカッコ悪かったと思う。選ばれしものしか履いてはいけない空気感はあったはず。

ナイキのブランド力はやはり強く、大多数のものがナイキのシューズを選んでいた。そこでちょっとひねくれた奴はあえてナイキを選ばずに違うブランドにしたり割と性格が出るものだったね。

僕はたしかナイキのエアフォースにしたのかな。我ながら無難な選択だったと思う。

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    床面を処理する。

今をときめくリーボックのポンプフューリーもこの時期に発売されたように記憶している。シャキール・オニールのモデルだったはず。

あの当時の靴が今もリバイバルして人気になっているってなんだかすごいことだなと思う。

ハイテクシューズのブームが到来

続いては高校生の時。

1995年か。時はエアマックスの大ブームの時代。あまりの入手できなさゆえに世間ではエアマックス狩りというカツアゲも起こったりしていた。

たまごっち狩りなんてのもあったと思う。そんなかわいいもん狩るなよと思ったのを覚えている。

ネットが普及していない時代でもそういう高騰は起こったりもするんですね。 

実際に僕が通っていた学校でも流行りのハイテクシューズを下駄箱に置いとくと速攻で盗まれるということが多発していた。

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    両面テープで革と底をくっつける。

僕もなぜか一応そのブームにはかろうじて乗っていて、エアフットスケープというシューズを履いていた。

紐のラインが横についたちょっとわりと一癖あるデザインのものだ。

高校生なんて制服だから個性を出すには靴しかない。みんなそこで頑張るわけで。

履いてる靴でそいつのセンスが試されるっていうのは確かにあったなあ、となつかしくなった。

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    底の裏まで貫通するように縫い穴を開けます。

今思い返すとわりとどうでもいいよなとは思うんだけどね。ファッションに目覚める時期だからしょうがない。

大人になってからの靴

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    苦労するかなと覚悟していたが、底の素材が柔らかいので案外するすると縫えた。

働きだしてからは一番履いている時間が長くなるのが革靴だった。

スーツとともに、靴は大人の嗜みとしてある程度のレベルが求められるのももちろん知っている。よく言われるように靴はたしかに見られる。

しかし、残念なことに僕はどうしてもそういうことにピンと来ず……。

機能を優先してしまって今でもブランド的なところより、履いていて疲れないか、履きやすいか、という基準で選んでしまっている。

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    革と別の素材を縫い合わせるのは初めてかもしれない。

これは僕が営業職ではなく基本的にお客様と会うことが少ないことも関係しているかもしれないけど……。

あっ、綺麗に磨いてはいますよ。

プライベートも本当に自分が気に入った靴だけに絞って所有するようになくなってしまった。

中でもKEENの靴は大好きで同じものを色違いで二足持っている。というかそれしか履いておらず、スニーカーも一足あった方がいいなと思って先日やっと買ったという感じだ。

スニーカーはやはり楽でいい買い物をしたなと思う。

新しい靴を買うとどうしてこうテンションがあがるんだろ。靴は履きつぶすまで履いてしまうので付き合いが長い。これからよろしくという気持ちになる。

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    あとは仕上げだけだ。

靴は思い出とリンクしている

振り返ってみると年代別に自分がどんな靴を履いていたかっていうのは、はっきり思い出せますね。むかし着ていた服なんてほとんど覚えていないのに。

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    ヤスリをかけます。でもそんなに意味がなかったかも……。

そして靴はその時の場所や思い出とリンクする。

あそこに行った時に履いていた靴、あの人と過ごした時に履いていた靴……。

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    完成!

靴ってやっぱりちょっと特別なものなんだと思う。

今回自分の靴の記憶を辿って見たけどちょっと忘れていた記憶なんかが掘り起こされて楽しかった。

もし何かの機会で過去のことを思い返す時は、履いていた靴から思い返すと忘れていた記憶が思い出しやすいかもしれない。

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    幅広の僕にも余裕がある作りになりました。

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ねおみのる

profileneo

普段は普通のサラリーマン。
あるとき独学でレザークラフトを始め見事にはまる。

以来、頼まれた物など失敗や試行錯誤を繰り返し作り続けている。

今欲しい物はリアルに革漉き機とミシンだが、部屋に置く場所が多分ない。